NO.46 料理は楽しい
私も「団塊の世代」と呼ばれる一人です。57歳。小学校の時、教室の後の席の子は、壁の給食袋かけにすっと手を伸ばせば届くぐらい、部屋は子どもたちで一杯でした。60人近くいたと思います。何をするのも順番を待ちました。
小学校の夏休みにチキンラーメンやボンカレーを食べた最初の子どもたちだと思います。日々の暮らしがどんどん変化していく中で大きくなった世代です。冷蔵庫も氷から電気に。洗濯機も手回しから自動に、そして今では当たりまえのようになった全自動に。子どもは、その都度お手伝いの仕方が変わりました。おつかいも市場からスーパーに。市場では、卵屋のおばさんが電灯に卵を透かして一つ一つずつ鮮度を確かめ、新聞紙にくるんで渡してくれました。味噌屋のおじさんは富士山のように盛られた味噌の樽がいくつも並ぶ土間に立ち、お客の注文に応じて「ヘギ」に味噌を包んでくれました。手に持った木杓子をサッと投げて元の味噌樽に戻すのが得意技でした。あぁ懐かしい・・・。あのおじさんやおばさんはただお店に立っているだけでなく、自らの五感を働かせて仕入れをし、食品の安全を管理し、またスポークスマンでもあったんですね。
私の学年も今、働いている女性はほんの少しですが、男性は多くがここ2~3年のうちに定年を迎えます。あれから暮らしは随分変わりました。今、定年を前にして台所をリフォームする人が増えているそうです。料理はもとより、お茶も入れられない男性にはチャンスです。これを機にキッチンライフを始めてみませんか?食を通して新しい暮らし作り、楽しいですよ。
平成17年8月9日