白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

白井のエッセイ

NO.56 台所から始まる素敵なこと

7月7日、男性の料理教室「台所から始まる素敵なこと」の報告です。
 いやぁ~盛り上がりました。午前29名、午後30名。欠席はお葬式が急に入った方と夏風邪をひかれた方・・・。
お休みの方には申し訳ないくらい楽しい時間でした。
 いつも教室の最後は出来るだけ皆さんを出口までお見送りするようにしていますが、参加者の方たちは素敵な笑顔をたくさん残して帰っていかれました。
 メニューは「NHKきょうの料理」で好評をいただいている“お父さんの台所塾“から2品、そして毎月最終金曜日の夕方5時、「もっともっと関西」の中でお伝えした料理など数品です。
 当日は全く料理をしたことのない方もたくさんいらして下さって大忙し。
いきなりお米をお湯で洗う方、びっくりするくらい太い生姜のせん切りに「まっこんなもんかな」と満足顔の方。「キャベツを切るのは兵隊以来やなぁ」とつぶやきながら包丁を握る方・・・などなど。
皆さん戸惑いながらすごく楽しそう。
 料理作りは健康づくり。「この中で高血圧とお医者様から言われている方はどれくらいいらっしゃいますか?」の私の問いかけに「ハァ~イ」・・・。と手を挙げられたのは全体の2/3。「エーーッ!本当?!」料理を作ると大さじ1のしょう油がどれくらいの量、又、塩ひとつまみ、塩小さじ1/2はどれくらいの塩加減かを知るチャンスでもあります。
「ご飯が炊けて味噌汁が出来ると生きていけますなぁ~。以前にも参加させてもろうてほんまによかった。なんとかなってます。」奥様を亡くされた方のうれしい報告でした。よかったよかったなによりです。
全てが終わって声もカサカサ、足もフラフラでしたが、皆さんのあの笑顔がなによりのビタミン剤でした。
 参加くださった皆さん、どうぞ続けて下さいね。
そして送り出して下さった奥様、どうぞやさしいアドバイスをお願いします。

平成18年7月10日


NO.57 ゴルフよりおもしろい料理体験

あぁ~ごめんなさい。この欄の原稿がすっかりご無沙汰してしまいました。
忙しい原因のひとつは、NHKきょうの料理で毎月させていただいている番組を見て、「ウチの連中に料理を教えてもらえませんか」・・・というご依頼が増えているのです。
ついこの間も、その製品の名前を言えばすぐ分かる会社の社長さんや会長さんばかりのお勉強会に料理を実習する講師として呼んでいただきました。生徒さんは17名。講演会じゃないんですよ、講習会だったのです。びっくり!
メニューは鯵のムニエルと照り焼き。ご自分で鯵をおろして半身ずつ洋と和に仕上げるという段取りです。そして大きなピーマンを丸ごとガス火で真っ黒に焼いて皮をむき、かつお醤油で食べるというもの。今でも皆さんの笑顔が忘れられないのですが、「こんなに夢中になったのは久しぶり。ゴルフよりおもしろい。」嬉しい感想でした。
私がお伝えしている高齢者の男性の料理指南もあと5~6年もすれば必要がなくなるのでは・・・。あとからやってくる次の世代の人たちは、大抵の人が味噌汁ぐらいは自分で作れる時代が来ると思います。今だけですね、こんなに大騒ぎしているのは・・・。
「人生70年。いやぁ包丁なんて持ったことなかったですよ・・・。」九州なまりの残る社長さん。大きな黒塗りのふかふか揺れる車から手を振って笑顔で帰られました。
どうぞ奥さま、今日の作業を忘れない内に台所に立たせてあげて下さいね。

平成18年8月11日


NO.58 東京と関西

料理の撮影をしていると、同じ野菜でも関東と関西では違うものが流通していることに戸惑うことがあります。
先日も来年の1月号の雑誌の鍋の撮影で春菊を使う場面があって、東京からやってきた編集者が「エーッ!茎がない。」と驚きの声を上げていました。
そう、東京の春菊はマーガレットのような枝がついていて、その茎から葉をはずして使います。
関西の春菊は根に近いところに株があって根さえ切り落とし砂を除けば、全部食べることが出来るのです。
写真を見ていただければお分かりだと思いますが、左が関西、右が関東です。
 出版物のほとんどが東京で作られている現在、地方ならではのおいしいものや、地ものがみんな東京サイズになってしまいそうで残念です。
若い人たちにもっと地のものを知ってもらいたいなぁ・・・。
料理の本や雑誌で紹介しているものだけが食材じゃないのよぉ~。と伝えたいです。
 東京の普通のスーパーには焼き穴子がありません。
東京に転勤して茶碗蒸しやうどんすき、巻き寿司に焼き穴子がないと私ならさみしいのです・・・。
なんとかならないでしょうかねぇ。
これだけ流通が盛んなのに・・・。

平成18年10月5日


NO.59 免疫力アップ

カスピ海ヨーグルトがインフルエンザ対策になるということで、東京大手町にメディアの方たちに集まっていただいてラウンドテーブルという形の発表会がありました。
その時に好評だったメニューをご紹介しましょう。
免疫力が低下しているとインフルエンザに感染しやすくなるだけでなくワクチンを接種しても1回では効果が十分ではないと言われています。カスピ海ヨーグルトを使って免疫力を高めるメニューです。
私も日頃からカスピ海ヨーグルトに支えられて暮らしています。
食べる量は1日およそカップ1杯。前にもご紹介した甘酒をジャム代わりに加えたり、ハチミツや季節の果物を入れて食べています。
又、料理にはグラタンやシチューなど加熱をするものに使ったり、味噌を溶いたり生姜やわさびなどドレッシングのつなぎに使ったりゴマ和えに入れたりもします。
つなぎの役割は便利ですよ。生クリームと同じようにも使っています。酸味がほとんどないのでとっても便利。
なにより生クリームと比べてカロリーは1/5くらいとかなりローカロリーです。生クリームは買ってもすぐ鮮度が落ち急いで使い切ってしまわなければいけないので、いつも冷蔵庫に入っているカスピ海ヨーグルトは便利。そして、経済的です。
加熱すると乳酸菌は死ぬのですが、菌体成分は善玉菌のエサになって腸内環境をよくしてくれます。
又、加熱をしてもカスピ海ヨーグルトのトローッとした粘性物質は変わらないそうです。なんだかいいことづくめですね。
今日はこの冬の最強のレシピ「里芋のヨーグルトグラタン」をご紹介します。
ヌルヌルものから免疫力アップの成分をたっぷり召し上がって下さい。

平成18年11月17日


NO.60 お歳暮

阪急百貨店の青いギフトカタログ「阪急からのお歳暮」に白井操のおすすめ28品をご紹介させていただきました。
うれしいことにどれもよく売れているようで、早くに売り切れになってしまったものもあります。
 今までの長いお付き合いからご紹介させていただいているものが多いのですが、中には私が長い間お店のメニューにはないけど、ご主人に特別メニューとして作っていただいていたものもあって売れなかったらどうしようと思っていたのでヤレヤレです。
子供の頃から食べていたおせんべいは懐かしいおいしさです。
日本一の黒豆は丹波から。あの有名なイタリアンレストランでしか飲めないジュース。
世界に150kgしかないセカンドフラッシュのダージリンの紅茶。
名前を言えばすぐ分かるお菓子屋さんは大体この会社の特別な粉で作られているとか。
今回は友人のお菓子の先生、上田悦子先生に作ってもらったパンケーキ。
あの有名なテレビをデザインされた喜多先生のオリジナルの陶器とフォーク。
友人でもある京都の老舗かね松の八百屋さんのところで特別に無理を言って作ってもらったちゃんと発酵しているお漬物。
近くの我がスタジオもひいきのチーズ屋さんやナッツ好きの私としては信頼のおいしさと新鮮さはピカイチのナッツ類などなど。言い出したらキリがありません・・・。
こだわりお酒・オリーブ油のファーストフラッシュ・・・。
 先日、青いカタログを通して出会った人たちの交流会をさせていただきました。
食品への志しが高くなかったらこんな手間なこと、出来ない・・・ということ多いですよねぇ。さすが皆さん素晴らしい。
自身アリのPRも本当にお上手です。商品も皆それぞれ持ち寄っていただき幸せなひと時でした。
 カタログを共に作った阪急の担当の方たちがとてもいい感じですっかり友達になり私にとっても本当に楽しい仕事になったんです。
ここだけの話しですが・・・エッ?!実はもう来年のお中元の準備を始めてるんですよ。

平成18年12月13日