白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

白井のエッセイ

NO.61 黒豆

祝い肴の筆頭はやはり黒豆でしょうか。
1年、豆々しく元気に暮らせるように願を込めてお正月の食卓にのぼります。
 我が家はふっくらやわらか煮。年末の29日に準備を始めます。
さびた釘を入れるのは黒々と仕上げるため。でも釘がなくても丸1日たてば赤色から黒色に変わります。
鍋はアルミを使うと鍋の内側にスジがつくことも。ホーローやステンレスがあればそれを。厚手の鍋の方が火がまんべんなくあたってうまく炊けます。火
加減はうんと弱火のほたる火で。ガスならガスコンロの上に餅網を乗せて火をやわらかくしても。
11月末~12月頃に出てくる新豆を使うとやっぱりおいしい。
おすすめは丹波篠山産。びっくりするくらいふっくら大粒です。
 どうぞよいお年を・・・。

平成18年12月26日


NO.62 2007年のお正月

新しい年が始まりました。
お正月は少しゆっくりする時間があって日頃からたまっている家事を楽しみながら片付けていくのですが、年賀状のことが気がかりでした。年末にすごい数を書いて赤いポストに入れたのですが、1日から届けられる賀状に「しまった・・・。出していない方だ・・・。忘れていた・・・。」こんな思いをされた方は多いんじゃないでしょうか・・・。
まとまった時間を作って日頃出来ない家事をしよう!このお正月は特別楽しみにしていました。忙しすぎる毎日に反省もあって家をちゃんとしたい!と気負っていました。ハハハ・・・。途中で私は一体何を頑張っているんだろうとおかしくなってしまいました。ふと肩の力を抜いたら楽になりました。“楽(らく)”って楽しみを作ることなんだって・・・。次々と我が家のポストに入ってくる年賀状に「ちょっと待っててね。ゆっくり書くからね。」と心の中でお返事をして家事に勤(いそ)しみました。お返事が遅れている方ごめんなさい。私、お正月を楽しみました・・・。

 ところでHPの中でうちのスタッフが書いている“スタジオスケッチ”のコーナーで私の手帳のことがありますが、少し補足すると、1年おきに住所録といってもスケジュール帳についている住所録部分に名前と電話番号のノートの書き換えの作業をしています。
消えかけたのを書き足したり整理したり・・・。ノートが小さいから大変です。その数およそ850人。エーッ!自分でも数えてみてびっくり。会社又は自宅の番号と携帯番号を同じ紙を継ぎ足してア行から書き直していくのですがすごい数になっていました。。
例年おもしろいなと思うのですが、ア行からタ行でノートの2/3がうまってしまいます。これはきっと私だけのことではないですよね。日本人ってア行とカ行とサ行が、ムチャクチャ多いのかしら。後のナ行からワ行は1/3で収まります。
整理が一通り終わってびっしりかかれたたくさんのお名前につくづく感謝。本当にたくさんの方とお出会いしています。
一日何回となく開く赤い手帳。私の方から電話をかけさせていただくことも、相手の方からかけていただくことも。又、今年もスケジュールが文字で埋まっていきます。
日々の書き加えは友人からもらったカサの低いゴルフ用の鉛筆で。さしている所が少しでも汚れないよう色ガムテープを貼ってみました。その下に見えるのは切手。講習会で手を切った方に差し上げるバンドエイドやメモに使うポストイットも挟まっています。私の手帳は日々を支えてくれる財布と同じくらい大切な存在なのです。

平成19年1月16日


NO.63 新ライフスタイルイベント

藤原紀香さんのポスターでおなじみになった、こころにおいしいごはん・・・。昨年秋から始まった兵庫県のおいしいお米をもう一度こころに覚え、ご飯の大切さと、楽しさを広げようという運動です。
これまでにもいろんな機会を通じてメッセージを送ってきましたが、なにはともあれ、まずは男性も女性も老いも若きも誰もがご飯を炊けるようになることですね。
3月9・10・11日はハーバーランドでお米に関するいろんなイベントが行われます。
ギリギリになってのご案内ですが、9日はJR神戸駅すぐのガラスのビル、HDC神戸での「NHKきょうの料理“お父さんの台所塾“からの報告」、そして10日は場所を変えてハーバーランドのスペースシアターで。
10・11日は兵庫の五国豊穣をお弁当の中に詰めて販売も致します。
白井操流こころにおいしいごはん・・・あなたのお腹の中にそーっと届くことを祈っています。

平成19年3月8日


NO.64 お父さんの台所塾が本になりました。

お父さんの台所塾・・・私はこのタイトルを一生忘れないと思います。この1年半何をしていてもNHKのきょうの料理のメニュー提案のことを考えていたような気がします。
自分でも不思議なんですが、特に私、今まで男性の方に教える料理を専門にしていたわけではありません。むしろ若い人たちに教える方が得意かな?と思うくらいです。それがシルバーカレッジでここ11~12年食文化の講座で料理をお伝えしている内に男性の受講者がどんどん増えていきました。10年前はひとクラスに2~3名だったのが今では男の方も女の方もほぼ半々に。なんと4倍もの倍率になりました。私が特別の講師というわけでなく、時代が今変わり、世間も男性自身が料理をすることをなんとも思わなくなったのです。男性用のエプロンも素敵です。種類も豊富になりました。料理をされる男性は今はおしゃれな方が多いのが現状です。そして料理作りを通してとても楽しそうに生きておられます。遊びを見つけるのがうまいのかな?
番組の中で作った料理は出来るだけ食材も少なく、作業もたやすくシンプルにを心がけました。
料理研究家として少々恥ずかしいくらい簡単なメニューが多いのです。お父さんの台所塾のおかげで、私はたくさんのことを学び直しました。楽しく作って楽しく食べる。今日その方が習って下さったことがその方の人生を変えるかもしれないなんてたいそうなことを考えたメニューって一体何なのでしょう。でも実際いただいたお手紙の中にはあるんですよ。
「このメニューのおかげで私、家内に台所に入っていいって言われました。」あ~よかった。成功です。台所は奥様のお城ですものね。お父さんの台所塾のメニューには今まで奥様がなさったことのない料理がたくさん入っています。
新しいアイデアメニューや器具の使い方など色々です。例えば油揚げをキッチンペーパーで包んで余分な油を吸わせ、オーブントースターでカリッと焼いてハサミで四角く切るなんて具合。大根おろしと和え、しょうゆをかけていただきます。
NHKきょうの料理「お父さんの台所塾」を見てくださってありがとうございました。そしていろんなお便りやお声をかけてくださったこと、本当にうれしかったです。励みになりました。ありがとうございました。今日あなたが作られた料理がどうぞ明日の笑顔のモトになりますようにと祈っています。

平成19年3月19日


NO.65 近頃おどろいたこと いくつか…

近頃おどろいたこと いくつか・・・。
   うれしいこと いくつか・・・。 

またまたお久しぶりになってしまいました。いやぁ~毎日忙しい日々を送っています。

(1)「お父さんの台所塾」の野望・・・?
 NHKでシリーズを担当していた「お父さんの台所塾」の本が出版されたことはHPでもお知らせしました。実はスタッフ内で、たくさん売れたら御世話になっている方たち、みーんなを誘って有馬温泉を楽しもう!と言っているのですが、地域によって、売れている所とそうでもない所があって、なかなか皆さんに恩返しができません。ごめんなさい・・・(笑)。
先週聞いて驚いたこと。キリン関西のHPで私もお仕事をさせていただいているコーナーがあるのですが、そこでキリンビールが「お父さんの台所塾」を30名様にプレゼントという企画を立てて下さいました。そしたらなんと応募してくださった方が、6千〇〇人。びっくりです。選に漏れた方が本屋さんで買って下さったらうれしいね・・・とアシスタントちゃんと私の小さな呟きです。ハハハ・・・・。
父の日にどうぞよろしくお願い致します。 
ちなみに、プレゼント用にさせていただいたサイン本には、一冊ずつ「どうぞあなた様が作られるお料理が明日の笑顔のエネルギーになりますように・・・白井操」と綴らせて戴きました。

(2)大人の遠足、揖保川の「鮎釣り」
 さて、キリンのHP、次回は鮎。撮影のために、兵庫県の姫路の奥、山崎に行ってきました。キリンビールの皆さんとうちのアシスタントちゃん、ライターさん、もちろんカメラマンさんも入れて総勢8人のロケ隊。
お天気もよくて、揖保川の上流での撮影は楽しい大人の遠足でした。
やっぱり天然の鮎はおいしい!違うんですね養殖と。味が全~~~然!今更ですが、驚いたことは、鮎釣りの方法。鮎は川の中の石のついた苔しか食べないので、餌はつけずに、おとりの鮎が使われるそうですが、縄張りに近づいた鮎を追い払うために、鮎がおとりに近づいたところを、釣り人が針に引っ掛けるという、知恵比べのような厳しい世界の様子を知りました。川原に上がった石には、鮎が食べた後と思しき苔の後が線書きのように残っていました。それにしても、川原は歩きずらい石だらけ。土の部分がないので、石から石へ安定のいい足場を探しながら川に近づき、さらに水の中でじーっと数時間。足腰も冷えるんですって。釣り人の苦労が、しみじみ伝わりました。
揖保川の鮎は、解禁の遅い京都にもたくさん出荷されていると聞いてびっくり!サイズの小さい琵琶湖の鮎もおいしいけれど、大きくて食べ応えのある揖保川の鮎も、ぜひ味わってみてください。
もうひとつ驚いたことは、鮎のいる川の周りには、蓼がたくさん自生していました。鮎の塩焼きには欠かせない蓼酢。ピリッと辛くて、すりつぶしてお酢と併せて使いますが、殺菌と消化を助ける効果が期待できるとか、いやぁ、よくしたものです。

(3)「ボケ殺し・・・??」
もう1つおまけに、うれしかったこと、おどろいたこと。3つめのお話。
実は、いままでNHK系列以外に出させていただいたことがなくて、先日初めて民放に出させていただきました。6月2日(土)、秋野暢子さんやかつみさゆりさん達とご一緒でしたが、ディレクターさんから、出演時間帯のコーナーの視聴率が上がったんですよと言われて、あ~~~~よかった・・・と。
テーマは、お魚はじめ、はさみで切れる食材を使って、はさみ料理のいろいろな楽しみ方だったのですが、NHKでもかつてご一緒させていただいたことのある方たちだったので、なつかしくお仕事をさせて戴きました。
実は、番組中、作業することがたくさんあったので、ドタバタしていて横でずーっとおもしろいことを言ってこられるカツミさんに、「そう、そう、そう」と軽くお返事したら、字幕に“ボケ殺し”と出てびっくり。へぇ~、そういうんだ。学習・・・・。ごめんなさいね、カツミさん。なにしろ、忙しかったのよね、たくさんすることがあって・・・。NHKでは出ない字幕でした(笑)。

平成19年6月2日