白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

「ひょうご五国のめぐみ」

2010/10/26 

私が代表理事をつとめるNPOフィールドキッチンがお世話をして西宮ガーデンズのスカイガーデンで楽しいイベント「ひょうご五国のめぐみ」がありました。当日は雨が心配されましたが、お日様も顔を出し1000人を越す大盛況になりました。ご飯の入ったお茶碗を片手に兵庫県の五国(但馬・丹波・播磨・摂津・淡路の国)のおかずを6種類トッピング。長い列に恐縮しつつ私たち応援隊はハラハラ・・・。16台の炊飯器を並べて炊くのですが、いくつか悪いものがあって、スタート時には芯があるご飯が炊けてしまい、三田のおいしい新米にも、並んでくださる方にも申し訳なくて・・・。何人かの皆さま本当にごめんなさい。
おかずの中で作り方を度々聞いてくださったのはふりかけですが、あれはちりめんじゃこにフライドオニオン、粉山椒、塩ふき昆布にかつおぶしを粉にしたものを混ぜています。他のおかずがダメな子供さんも、これだけは喜んで食べていただけたようです。ぜひお試しを。「おかずがこんなにたくさん」「ゆずのいい香り」との皆さんの声を聞いて、「受取る人が嬉しいと、渡す人も嬉しいですね」と早朝から駆け付けてくれたボランティアスタッフの言葉。
お米とこんにゃくはJA兵庫六甲さんから三田米の新米と手作りこんにゃくを、卵はデイリーエッグさん、そして但馬牛は帝神畜産さんの提供でした。皆さん感謝です。会場はおいしいものをほおばる笑顔がいっぱいで、スタッフもそれが嬉しくて、なんだかいい雰囲気だったんです。他にも8mの長い巻き寿司を子供たちがみんなで巻いたり、食育クイズのコーナーでは生きた明石のタコやなまこ、カワハギなどに触れるタッチプールが人気でした。大人向けには兵庫の食の素晴らしさをいろんな角度から見直す講演会も。兵庫のおいしいものを心と舌で味わった楽しい一日でした。 続きを読む…

「彼岸花のお話」 

2010/10/7 

兵庫県の石田さんに教えていただいた彼岸花のお話です。今年の暑さは誰もが認めるところですが、この40年ほどの間で彼岸花が最も遅く開花したそうです。なぜなら彼岸花は20℃を下回る日が3日続かないと咲かない・・・から。へぇ~。
そもそもこの花は庭ではなく、里のしかも田んぼのあぜ道に良く咲いています。毒花といわれていますが、実は救荒植物(飢饉の際に食べる植物)なんだそうです。いざという時には、その球根をすりおろし一晩水にさらすと毒は抜けます。これででんぷんがとれるのだとか。そんなわけで昔の人は身近なところに植えたんだそうです。
また別の人によれば、田んぼのあぜに植わっているのはもぐらよけだとも・・・。彼岸花の球根の毒を嫌がって、みみずが近寄らない、餌がないともぐらも寄り付かないという仕組み。毒があるから役に立つって、面白いですね。
実はスタジオの庭の片隅にも、いつの頃からか、少しだけ彼岸花が咲いています。今年はお彼岸には間に合わなかったけれど、その赤い色で、毎年夏の終わりを教えてくれます。彼岸花

「梅の力を信じて」 

2010/8/9 

今年の梅干しは「あの日の梅干し」の作り手佐々木美佐子さん流です。作り方を教えていただいた時の言葉が心に残りました「梅の殺菌力を信じて・・・」。水洗いした梅に塩をして、拭かずに水気を梅に残したままカメに入れます。「ぬれているほうが梅のまわりに塩がつくでしょう・・・」なるほど。塩と梅を交互に入れていくのですが、すぐに重石をしません。2日ぐらいおいて水が上がってきてから重石をします。その後は極力さわらないことが大切なんだそうです。「少々白いカビが浮いていてもさっと取れば大丈夫・・・」なるほど、なるほど、殺菌力を信じて、梅の力を信じて・・・梅への深い信頼があってこそ、香りがよく、身ばなれよく、おいしい・・・そんな梅干しが仕上がるんですね。減塩の梅干しはあとから塩を抜いているものが多く、塩と一緒に香りも栄養分も抜け、旨味・甘味を足しているとか。梅は南高梅の木で完熟したものを使いました。梅の力を信じて出来上がりを待ちます。楽しみ、楽しみ。南高梅