白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

「旬を追いかけて」

2010/7/12 

「なんだかおかしいよね。あったかすぎるよね。」「なんだ!この寒さは。せっかくクリーニングに出したのに袋をあけるの勇気がいるね。雨が多すぎない?これじゃあ植物は育たないよ・・・。」そんな会話を交わしていた冬の終わりから春の始まりそして夏の初め。やはり今年は野菜や果物の生育が遅れ、中央市場の魚屋さんからも「山形から鰆が入ってびっくりしたよ。」とのお話が。瀬戸内の味覚・鰆は北上し、昼網でおなじみのイワシやベラ、川津エビなども獲れず、魚種が減っているのだそうです。人が海辺の自然を作り変えたことや、異常気象は海に棲む魚たちも敏感に感じ取っているのしょう。
神戸新聞で月2回連載している青空主義「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」の記事も予定していた撮影日が刻々と変わり編集委員の辻本さんと私のスケジュール帳は消したり書いたり、他との調整をしたりと大変です。でもこんな気候に負けず、なかなか赤くならなかったオランダトマトも時間をかけて、ちゃんと大きく赤くなってきました。梅雨の気配が伝わったのか明石のタコも淡路のウニも揃ってきました。このシリーズのおかげで兵庫県の奥へ特産品を追いかけています。食べものを扱う人と自然とのきびしい戦いを間近に感じ、それを乗り超えた皆さんの笑顔に学ぶことがたくさんあります。

*写真は「たっぷりスープのトマトマリネ」
7/14(水)の神戸新聞「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」でレシピをご紹介しています 続きを読む…

「豊岡・日高町の北村わさび」

2010/5/21 

ことの始まりはなんだったのかしら・・・と兵庫県の食材に興味を持つようになったきっかけを振り返ります。シルバーカレッジの食文化コースに教えに行くようになって15年。最終学年の3年生がグループ学習のテーマとして取り上げる兵庫県や神戸市の地元の食材に触れるようになったのが入り口だったのか、いつしか地元のものを食べて地元の味を伝え、食材が売れることで地元の若い生産者がその地で子供を育て心豊かなくらしが築けたら・・・なんてことを考えたりするようになっていました。
その後、阪急阪神百貨店の西宮阪急のオープンにあたり地産地消コーナーのプロデュースをすることになって、兵庫のすばらしい食材にいっぱい出会い、身近なものとして地元の食材への思いはさらに深まりました。そして4月から始まったのが、県下の隠れた名食材を紹介する「うまいもんライブラリー」。本は来年の春出版予定ですが、まずは神戸新聞で第2・第4水曜日の朝刊の連載から。神戸新聞編集委員辻本一好さんによる第一回目の記事はこう結ばれています。『兵庫には日本で最も多彩な風土で磨かれてきた”うまいもん”が多数ある。古里の個性を教えてくれる貴重な地域資源である知られざる各地の素材とそれを育む自然と人の魅力を料理研究家の白井操さんとともに伝えていきます。』と。
一回目のテーマは豊岡・日高町の北村わさび。300年の歴史を受け継ぎ、ひたむきにわさび田を守る青年に感動しました。私も何本か買って帰り、そのおいしさを再確認。茎に近いところはマイルドで辛味もほどよく香りも高いことや、わさびを1本買ったら、丸ごとすって混ぜ、小分けしてラップに包みジッパーつき保存袋に入れておくと便利ですという記事にわさびを使った料理の作り方と写真を添えました。なにしろ兵庫県は広い!取材は一日がかりです。収穫日と私のスケジュールが合わない時には、取材に行けなくて電話でお話を伺うこともあるのですが、出来るだけ現地取材に参加しようと思います。兵庫の食文化のすばらしさが多くの人に伝わることを願っています。 続きを読む…

「こんな楽しいお仕事も・・・」 

2010/3/16 

♪海の野菜、海の野菜♪とかわいい子供の声でテレビのコマーシャルが流れています。ゆがいたブロッコリーにマヨ昆布をかけたサラダやあったかいご飯におかか昆布と生卵を載せたおかかっ玉ご飯は、何を隠そう私が考えたものです。4月7日にはフジッコ㈱本社で塩昆布を使った料理教室も開かれます。(ごめんなさい。すでに参加募集は終了しています。)
他に、阪急百貨店のお中元・お歳暮の青いカタログで、ヒット商品の牛肉のふりかけやおでん用のソーセージなどなど、実はいろいろ作っています。野菜や乾物、魚料理など家庭料理のレシピを作る私も、企画ものの仕事をしている私も同じ・・・、どちらも楽しんでさせていただいています。誰でもが気軽に台所に立てるようになったらと願い、新しいメニューを考えながら、家の中でご主人さまとたくさん話すいいネタになればと思うのですが・・・。
男性に料理をお教えする機会が多いので皆さんの”グチ”を耳にすることが度々あります。「なんでウチの家内は私が台所に入るのを認めないのでしょう。ケンカになるんですわァ」世の奥さま、こころある男性はあなたのお城である台所に入れてもらえなくて困っていますよ。ぜひこの春から開門を・・・。
さて、この春から始まる楽しいお仕事をいくつかご紹介します。一つは神戸新聞で月2回、兵庫県内の”うまいもん”をご紹介する連載「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」。今までごく限られた地域でしか知られていなかった兵庫のおいしいものを中心に取り上げ、伝統的な料理と私流を紹介させていただくことになっています。これは先々1冊の本にもなる楽しみな企画です。そしてNHKラジオ第1「かんさい土曜ほっとタイム」(全国放送)では年4回、生放送中に料理を作って紹介するコーナーが始まります。この番組のHPでは、毎月季節の簡単メニューも連載します。これに先駆けて、NHK大阪放送局で3月20日公開生放送もあります(詳しくはお知らせのコーナーで)。こちらもお楽しみに。 続きを読む…