白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

地域に根ざしたひたむきな活動

2011/7/20 

兵庫県ならでは・・・といえる、地域に根ざした活動をひたむきに続けておられるお二人をご紹介したいと思います。
まず、お一人は、先日私の応援しているNPO法人フィールドキッチンで講演とそば打ちをしていただいた本田重美さん。県内唯一の在来種・赤花そばを豊岡市但東町で守り続け、おいしい十割そばに仕上げられた方です。きびしい自然環境のもと、赤花そばの栽培を復活させ、そばを乾燥する機械をはじめ、粉に引く機械、こねる機械など、すべてをご自身で発明。よりおいしい赤花そばを・・・と研究を重ね、発展させてこられました。本来400年前から地元で栽培されていた赤花そばは、その粒の小ささもさることながら、育てにくく、収穫量も少ない在来種。つなぎなしの十割そばは、本田さんのひたむきな工夫と努力の賜物。打ちたての風味を是非味わっていただきたい貴重なおそばです。当日奥様が作ってお持ちくださった、そばつゆのおいしいこと。一年寝かした醤油・酒・みりんに、昆布と分厚い宗田節を合わせたつゆは旨味が深く、赤花そばの香りとおいしさをいっそう引き立てます。その柔らかな味わいが、本田さんを支えてこられた奥様の存在と重なりました。出石そばの発展の陰にも本田さんの努力があったとうかがい感動しました。
もうお一人は神戸のシルバーカレッジにグループ学習の講師としてお越しくださった藤原たか子さん。多可郡多可町のマイスター工房八千代の施設長として巻き寿司を広められた方です。遠方からもたくさんの方が買いに来られ、毎日、卵2000個、お米180kg、きゅうり800本、のり1500枚などなど仕入れもケタ違い。中に入れる干し椎茸、かんぴょうも特選素材にこだわり、一切のムダを出さないよう調理にも細やかに気配りされています。たくさん売れることも良い食材を集められる理由の一つ。04年にはオーライ!ニッポン全国大会で農林水産大臣賞を受賞されたそう。彼女の強い統率力の下、ていねいな作業で作られるおいしい巻き寿司が町の名物になっています。
お二人に共通しているのは、思いが形になり、人を育み、町に人を連れてきて活性化するということ。たくさんの小さな事柄を一つずつ解決し、形を作ってこられたのでしょう。小さな小競り合いや反対を乗り越えて、大きな形に作られるまでの、ただならぬ努力を支えたのは、地域への愛情、食べ物への慈しみ、そして強い信念。思いの輪は人から人へと育まれていくことを教えていただきました。

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焼き野菜はおいしい!

2011/4/30 

どうもみんな元気がないので、今回の教室は外で食事を楽しもうとバーベキューの用意をしました。テーマは「焼き野菜はおいしい!」。よくあるバーベキューの焼き野菜は、ざっくり切ったキャベツ、太めにスライスした玉ねぎとピーマン数切れ・・・程度。ほとんどが肉でちょろっとおまじないみたいに野菜を添えるということがおおいのかな?実はバーベキューは焼き野菜がおいしいんですよ。
やけどさえ気を付ければミニトマトは最高です。玉ねぎもキャベツも人参も、さっとゆがいて焼くとこれはおいしい!。軸もカサも薄切りにしたしいたけ、ほぐしたきのこ、せん切りキャベツ、ネギの斜め切りなどなど、バラバラ野菜はホイルに包んで蒸し焼きに・・・。チーズやみそ、バターなどで、よりおいしくしてどうぞ。春菊や水菜にも使えます。今が食べごろの新玉ねぎ、新キャベツ、これもさっと湯がいて焼いてみてください。れんこんやさつま芋、とうもろこしも、先に湯がいておくことで、ほっこりして香りも立ち、より甘く感じられます。グリーンアスパラガスだけは生のまま焼いた方がおいしいと思います。
牛肉がそんなにたくさん用意できない時には、厚揚げや下ゆでしたこんにゃくなどもぜひ。これが焼き肉のタレによく合います。もの足りないなと思ったらみそを足したりしてみてください。この良い季節、ご近所に一言お声がけをして、おうちの庭やベランダなど、外で食事をしてみませんか?気分がすーっと晴れますよ。

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魚が三枚におろせたら

2011/2/25 

春は新生活スタートの季節。一人暮らしを始める方や、初めて料理に挑戦しようと考えている方は、手始めに魚の三枚おろしにチャレンジされてはいかがでしょう。
魚が三枚におろせたら・・・新しい魚ならお刺身に。手巻き寿司の具や、塩をして合わせ酢で締めたらきずしにも。新鮮な魚はフライもおいしい。一盛いくらの鯵が安く買えたら、近場の旅ももっと楽しくなります。干物を作って友達にもあげるのもいいですね。
「私には無理・・・」と思っておられる方も大丈夫。キッチンばさみと包丁で誰でも簡単にできる魚のおろし方をこのHPでもご紹介しています。
はじめてでも失敗なくできるコツは腹骨をハサミで切っておくこと。
(???な方は「さかなのさばき方」をご参照くださいね)
このコツさえ知っていれば、いつでも三枚おろしがなんなくできます。ぜひお試しを。

今月のレシピでご紹介した鯵と春菊の酢の物のコツは、ほどよい塩加減。合わせ酢の分量はお好みで・・・。

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